農業と関わる仕事をしようと思った
きっかけと、仕事内容を教えてください。
2018~2019年、ベトナムでは温室ハウスで栽培する野菜が、値段が高くても売り切れるくらい人気でした。しかし、ベトナムには温室ハウスの数が少なく、生産量がニーズに応じきれません。そこで、「温室ハウスについて勉強がしたい」と思い、日本語交流センターでの面接を経て、イノチオで働くことにしました。
現在は、栽培システムの見積書と図面を作成しています。お客さまの依頼書を受け取り、肥料タンクや暖房機などの配管図を描きます。ビニールハウスは基本的にオーダーメイドで、ハウスごとに高さや使用する部材が異なるため、それぞれのハウスに合った商品を選択しなければなりません。ハウスの設計や修理を行うときには、営業の方に同行してお客さまのご要望を直接伺い、一緒にハウスの様子を見に行くこともあります。図面の作成ができたら見積書を作成し、出来上がったら営業の方にお客さままで届けていただきます。
どんなことに、やりがいや達成感を
感じますか?
お客さまの希望が叶えられたと感じたときにやりがいを感じます。担当は設計ですので、お客様の笑顔を直接見る機会は少ないのですが、自分の提案を選択いただき、発注してもらえると、とても嬉しいです。
ただ新しい商品をすすめるのではなく、コストや納期など、お客さまの希望に添うことを大切にしています。そのため、報連相を徹底し、何か変更があればすぐに営業の方に連絡します。お客さまにとって品質が良く、一番安い見積書を作成したいと思い、日々努力しています。
また、日本のハウスの仕様や栽培システムをベトナムのハウスに適用できるか考えたり、自分の将来に役立つ知識をたくさん学ぶことができるのも大きな魅力です。
農業にどんな変化を起こしたいと考えて
いますか?
環境にも作業者にも優しい農業にしていきたいです。
温室内にある暖房機は、CO2の排出量が多く、地球温暖化の原因にもなってしまうので、CO2を排出しないシステムを作りたいです。
また、ガラス温室へのビニール材の普及を進めなければならないと考えています。ガラス温室は破損すると、ガラスが飛び散ってしまいます。修理にはケガのリスクが伴う上、農作物にもガラスが刺さり、出荷できなくなります。ビニールであれば、そんなリスクは回避できます。日本で使用している鉄骨材についても、重いものばかりですので、将来的にはカーボンのような軽くて丈夫な素材を使ったハウスの開発をして、作業者に負担のない農業を目指したいと思います。